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両山寺の護法祭

両山寺の護法祭

開催日

毎年8月14日の深夜

2013年8月14日
住所 岡山県久米郡美咲町両山寺454
  深夜の境内で行なわれる、シャーマンに乗り移った神様のお遊び
シャーマン お寺 盆踊り

このお遊びでゴーサマ(神様)に捕まると、3年以内に死ぬと言われる、実に物騒な奇祭
両山寺のある二上(ふたがみ)は、歴史と大自然があり、山岳密教の雰囲気を色濃く残している神秘的な地域です

両山寺
御朱印

両山寺の護法祭

「護法祭」とは、毎年8月14日の深夜から15日の未明にかけて、シャーマンに乗り移ったゴーサマ(神様)が境内を走り回り、そのゴーサマに捕まると3年以内に死ぬと言われる物騒なお祭り。

祈祷で一週間前から身を清めたシャーマンに乗り移った神様が深夜に、半紙で作ったふさふさした物を頭にかぶり、境内を縦横無尽に走り回りまわる、年に一度の神様のお遊び。

岡山県美作地方における宗教儀式で、昔は各地で行われていましたが、今は両山寺のみのようです。

護法祭のポスター
護法祭のポスター

岡山と津山を結ぶ国道53号線沿い“たまごかけごはん”のお店の所を左折し、道なりに走ること20分で両山寺に到着。
途中、何箇所か心細くなるポイントがありますが、ひたすら自分を信じて、前に進むのみ。

両山寺までの道のりは全て舗装されており、万が一、舗装されていない獣道に出たら、道を間違っている可能性が高いので、分かれ道まで戻ることをオススメします。

両山寺
両山寺

着いたのは18時半過ぎ、真夏なので日が沈むにはもう少し時間がありました。
お祭りは夜に始まるため、会場はまだまだ準備の段階。

ここで境内を散策。説明によると、714年に泰澄大師が創設したとありましたから、1300年の歴史あるお寺です。

本堂
本堂
本堂
龍の彫刻
本堂

本堂にはあかりが灯っており、お祭りが始まるのを静かに待っています。堂内の壁に、立派な龍や寅の彫刻が施されていました。

本堂横には、“二上杉”という立派な巨木があり、いにしえの昔は参拝者の目印になっていたそうです。

道を挟んだ本堂の反対側には、真新しい門があり、中には金剛力士像が入っていました。ちなみに、この門のまわりは工事中で2016年3月末に完成するそうです。

二上杉
二上杉

辺りはだんだん暗くなってきました。20時を過ぎると、地元の方がボチボチと境内に集まってきましたが、24時過ぎの“神様のお遊び”までまだまだ時間があります。

薬師堂
薬師堂

20時半過ぎ、婦人会による盆踊りが突然始まりました。第736回の護法祭がスタートです。
境内の放送でしれっと“第736回”と言ってましたが、年に一回の開催ですから、鎌倉時代からずっーと続いていることになります。

今日まで続けている地元の労力には、ただただ頭が下がる思いになりました。

盆踊り
盆踊り

結構な曲数を踊りました。踊りはいつも突然始まり、突然終わります。

盆踊りが一時間以上続いたあと、境内の階段で空手の演舞が始まりました。

空手の演舞
空手の演舞

空手の演舞のあと、再び盆踊りが再開。

盆踊りのあと、境内の左側で山伏が一番貝を吹きました。21時半になったことを知らせる目的です。
このあと、22時半に二番貝が、23時に三番貝が吹かれます。

続いて、津山鶴丸太鼓の演奏。太鼓の演奏も一時間近く続きました。

津山鶴丸太鼓の演奏
津山鶴丸太鼓の演奏

二番貝が鳴り響きました。ようやく22時半。

太鼓に続き、関係者の挨拶のあと、山伏が三番貝を吹きました。
ここで照明が落とされ、あたりは真っ暗闇となります。

山伏が三番貝を吹きました
山伏が三番貝を吹きました
山伏が三番貝を吹きました

三番貝のあと、警護と厄年の人が本堂にあがります。厄年の人の名前を読み上げたあと、本堂の上にある御籠り堂にシャーマンをお迎えに行きます。

御籠り堂にシャーマンをお迎えに行く
御籠り堂にシャーマンをお迎えに行く
御籠り堂にシャーマンをお迎えに行く
御籠り堂にシャーマンをお迎えに行く

ほら貝を吹きながらお迎えに行くので、暗闇の中、ほら貝だけが鳴り響きます。

御籠り堂に続く道
御籠り堂に続く道

待つこと30分強。シャーマンを連れて戻ってきました。写真中央の白装束のお爺ちゃんがシャーマンです。
足元もおぼつかず、警護の人に支えられながらフラフラと歩いていました。

シャーマンには、地元の人で信仰心の特に厚い人が選ばれるそうです。

シャーマンの登場
シャーマンの登場
シャーマンの登場
シャーマンの登場
シャーマンの登場

シャーマン一行は本堂に入り、祈祷の儀式が続きます。

本堂
本堂

本堂ではシャーマンのまわりをグルグルと回り、ほら貝とお経が響き渡ります。
ゴーサマがいつ出てくるのか観客の緊張感も高まっていきます。

広場に藁の束を運ぶ
広場に藁の束を運ぶ
広場に藁の束を運ぶ

照明が落とされた境内は、本堂右横と境内下の広場の二箇所にある藁の束の炎のみとなります。
写真を撮る時は、明るさが必要なので、今回は本堂右横の藁の近くに陣取ってみました。
ちなみに、ゴーサマに向けてのフラッシュは硬く厳禁です。

本堂を飛び出したゴーサマ

15日の0時半頃、本堂から勢いよくゴーサマが飛び出しました。物凄い勢いで本堂正面の階段を下りて行きました。
さきほどのお爺ちゃんが走っているとは到底思えません。トランス状態のなせる技でしょうか。

境内下の広場でお遊びしたゴーサマは再び本堂に戻ってきました。

お遊び中のゴーサマ
お遊び中のゴーサマ
お遊び中のゴーサマ

お遊びの最中、ずっと境内からお経から聞こえます。本堂での休憩時はお経が“タテ、タテ、タテ”に変わります。

休憩が終わると、再びゴーサマのお遊びがはじまります。

本堂右横の休憩場所
本堂右横の休憩場所

ゴーサマの休憩場所は三箇所あります。場所は本堂の両側と境内下の広場で、山伏が待機しています。

休憩中のゴーサマ
休憩中のゴーサマ

シャーマンがお爺ちゃんのためか、やたらと休憩が多いゴーサマ。休憩時は警護の人たちが足や腰をマッサージします。

ゴーサマが近づいてくるたびに、観客はみんな逃げていきます。捕まると、3年以内に死んでしまうため、みんな必死。

ゴーサマは境内をぐるぐるとお遊びになりました。

お遊び中のゴーサマ
お遊び中のゴーサマ

一時間半ぐらいお遊びは続きました。後半はお爺ちゃんも疲れたらしく、トボトボと歩く場面が増えてきました。
最後は疲れたお爺ちゃんを両側の若い警護が引っ張って移動していました。

私の目前でも二・三度ゴーサマを見ることができ、観客ももう満足満足という雰囲気が出てきても、ゴーサマはお遊びを止めません。私の隣にいた祭りの関係者も「もう終わりにしよう」と掛け声をしたり、休憩場所に居る山伏が一旦帰ろうとしていました。

小さくなった炎

炎も小さくなり、あたりが暗くなってきたので、下の広場に移動しました。私のカメラでは真っ暗闇では写真が撮れないからです。
下の広場の炎は藁の束を補充していたので、炎も大きく明るい。

下の広場でお遊び中のゴーサマ
下の広場でお遊び中のゴーサマ

午前2時、ようやくゴーサマのお遊びが終わりました。
お遊びが終わると、ゴーサマが憑依していたシャーマンを再びお篭り堂に送迎してお祭りは終了。

護法祭
護法祭

帰りは深夜のため、辺りは真っ暗でしたが、前の車のあとをついていったので、迷うことなくスムーズに帰ることができました。

日本に残るシャーマンの儀式を思う存分堪能できる奇祭でした。ポスターの“天下の奇祭”に偽りなしです。

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