東京周辺のお祭りに行ってきました>神奈川のお祭りに行ってきました>面掛行列 |
毎年9月18日 | ||
2016年9月18日 | ||
神奈川県鎌倉市坂ノ下4番9号 | ||
例大祭のクライマックスは、お面を被った10人のパレード | ||
「面掛行列」は御霊神社の例大祭で行われる神事のひとつ。10体のお面を被った行列が歩く、なんとも奇妙なお祭りです。
鎌倉の御霊神社は、もともと全国の御霊神社と同じく5柱の神(五霊)祀っていたのですが、後に鎌倉やその周辺を開拓した鎌倉権五郎景政に祭神は集約されました。 景政は剛勇で知られた武将で、後三年の役(1083〜1087)には16歳で出陣し、源義家に従って東北各地で活躍したそうです。
その景政の命日にあたる9月18日に例大祭は行われます。よって、お祭りの日は固定されています。
例大祭の見どころは、13時からの“鎌倉神楽”と14時40分からの“面掛行列”。どちらもとても楽しみです。 |
江ノ電“長谷駅”を降りて、江の島方面を線路沿いに歩くこと3分。御霊神社に到着。 神社のすぐヨコには踏切があり、江ノ電が境内を横切りっています。神社と電車も鎌倉なら絵になります。
境内を散策していると、社務所から宮司さんたちが登場。まずは手水舎で身を清めます。 身を清めたあと、宮司さんたちが整列。お祭りのはじまりを待ちます。
12時となり、宮司さんたちがぞろぞろと拝殿に入って行きました。いよいよ例大祭のはじまりです。
拝殿内で神事が執り行われます。途中、拝殿ヨコの神楽舞台にある大釜も清められました。
12時30分過ぎ、拝殿内での神事が終わり、拝殿から宮司さんたちがゾロゾロと出てきました。 13時の鎌倉神楽奉納までしばらく待ちました。 |
本来は拝殿ヨコにある特設舞台で神楽を行う予定だったのですが、雨の心配から、神楽も拝殿内で行われました。
神楽がはじまる前に、鎌倉神楽の説明がありました。演目は12座があり、800年以上の歴史があるそうです。 また、鎌倉神楽では神楽舞台ヨコの大釜で湯立ても伴うので、“湯立て神楽”とも言います。
13時となり、鎌倉神楽がはじまりました。拝殿内のため、笛と太鼓の音は聞こえるのですが、肝心の神楽はまったく見えません。
拝殿の柱の間からわずかに神楽が見えます。上の写真は“御幣招き”の座。神様の降臨を仰ぎます。 “湯上げ”の座では大釜の中の煮えたぎったお湯を汲み、拝殿に持ち帰ります。熱気と煙がすごい。
ここで12座のうち、前半部分が終わり小休憩。この休憩では“直会(なおらい)”が行われ、神様にお供えしたお神酒をいただきました。 後半の7座目“掻湯(かきゆ)”がはじまりました。大釜の煮えたぎったお湯を掻き混ぜて、湯玉のあがり具合で吉凶を占います。ものすごい勢いで掻き混ぜただけあり、見事な湯玉があがってきました。大吉だと良いな。
その後も神楽は続き、14時頃に12座すべてが終わりました。 14時40分からはじまる面掛行列までしばらく休憩。
ここで境内を散策。拝殿も奥の本殿も重厚で歴史を感じます。
拝殿脇には摂社の石上神社と手玉石がありました。 手玉石はこの神社の御祭神である景政がお手玉として遊んだと伝えられています。どれだけ力持ちだったのでしょうか。 |
ここで御霊神社の境内から面掛行列の行われる星の井通りに移動。 老舗の和菓子屋さん「力餅家」の前には大行列。どうやらお祭りの日限定の御煎餅が売られているようです。
面掛行列はこの力餅家ヨコの小道から出てきて、星の井通りを向かって右に進み、虚空蔵堂まで進んだところでUターン。
その後、反対側の交差点まで進み、再び力餅家ヨコの小道に戻っていきます。 見物客がどんどん増えてきました。面掛行列の登場をじっと待ちました。
14時40分となり、いよいよ行列が出てきました。
行列の先頭は手古舞と陣笠です。金棒引きを行い、地霊を鎮めていきます。
祭囃子があとに続きます。
ここで先導役の猿田の彦が登場。高下駄に仮面を被っており、かなり歩きにくそう。
獅子頭は木の枠を被っていて特徴的。悪霊から行列を守ります。
獅子の後ろに主役の面掛十人衆が登場。 1番目が“爺”、2番目が“鬼”、3番目が“異形”、4番目が“鼻長”、5番目が“烏天狗”、6番目が“翁”、7番目が“火吹男(ひよっとこ)”、8番目が“福禄”、9番目が“阿亀(おかめ)”、10番目が“女(とりあげ)”になります。
なんでも、800年以上の昔、源頼朝が非人頭の娘を可愛がり、身籠もらせてしまいました。そして、娘のもとにお忍びで通う頼朝の警護を非人たちが引き受けました。 身分の低い非人であったため、大衆に顔を見せることができず面をつけて護衛したと伝えられています。 これが面掛行列の起こりだともいわれ、9番目の阿亀(おかめ)が妊婦なのはそのためだとも伝えられています。ちなみに、10番目は妊婦さんに付き添う産婆さん。 うーん、わかったような、わからないような。
続いて、御神輿が登場。御神輿は車輪のついた台座に乗せて引っ張っています。
御神輿のうしろでは、祭り唄を歌っていました。
通り過ぎた面掛行列がUターンして戻ってきました。 再び、手古舞と陣笠、祭り囃子、注連榊、鉾、猿田の彦、獅子2頭、面掛十人衆、御神輿、祭り唄などが目の前を通りました。
面掛行列の中心である「阿亀(おかめ」の大きなお腹は、豊年・豊漁の祈願する意味合いもあるそうです。 うーん、往復2回もパレードを見たら十分堪能できた気がします。これで面掛行列は終了。 歴史ある神社に歴史あるお面、その一風変わったお面を被った行列。なかなかの奇祭だと思います。 |