東京周辺のお祭りに行ってきました>千葉のお祭りに行ってきました>馬だしまつり |
毎年9月(敬老の日の前日) | ||
2018年9月16日 | ||
千葉県富津市西大和田98(吾妻神社)、大貫海水浴場(馬だし) | ||
2人の若者が神馬にしがみつき、砂浜を颯爽と駆け抜けます | ||
「馬だしまつり」は吾妻神社の例大祭で行われる神事のひとつ。鞍に御幣をつけた神馬に2人の若者がしがみつき、砂浜を駆け抜けます。
吾妻神社の起源は、ヤマトタケル一行が東征の際。相模国(神奈川県)から上総国(千葉県)に渡ろうとした時、海が荒れていたので、ヤマトタケルの妃である弟橘姫が海神に祈って海中に身を投じたところ、海が鎮まり、ヤマトタケル一行は無地に海を渡ったという伝説があります。 その後、海中に身を投じた弟橘姫の櫛が富津の海岸に漂着。その櫛を見つけた人たちが、櫛を馬の背に乗せて、吾妻山にお祀りしたのが吾妻神社のはじまりと言われています。 よって、吾妻神社の例大祭では、この伝承を再現し、弟橘姫をお祭りするので、馬がこのお祭りの重要なアイコンになります。
吾妻神社の例大祭は、当日の朝から夜まで、いろいろな神事が行われます。 6:30頃 吾妻神社の近くのお寺〜吾妻神社:獅子舞 今回は、大貫海水浴場での馬だし、お神輿が海に入る(お浜出)から吾妻神社の神馬帰山までを見学しました。
吾妻神社例大祭ではいろいろな神事が行われますが、弟橘姫の伝承の再現=馬だしがメインイベントのため、馬だしまつりと言われます。 |
東京から電車に揺られること2時間強、途中、お尻が痛くなりながらやってきました内房線の大貫駅。 大貫駅から15分ほど歩いた大貫海水浴場。ここは弟橘姫の櫛が流れ着いたと伝わる場所で、馬だしが行われます。
馬だしは14時開始予定。少し早めの13時30分頃に着いたのですが、すでにお祭り愛好家の方々が大きなカメラを構えてスタンバイしていました。しばらく波の音を聞きながら、小雨に打たれながら、神事の開始をじっと待ちました。 14時となり、茶色と白色の2頭の神馬が鞍に御幣をつけて登場。ついに神事がはじまりました。
いよいよはじまるなと思った途端、なんの合図もなく、茶色の神馬が砂浜を駆け抜けました。神馬の左右には、2人の若者が振り落とされないように、必死にしがみついていました。
砂浜を駆け抜けたあと、神馬は祭壇を3周して、神馬もヒトも頭を下げてお祓いがはじまりました。 神馬の鞍から御幣を下ろし、祭壇の真ん中をスコップで深く掘り、御幣を埋納しました。
御幣を埋納したあと、白色の神馬と茶色の神馬が交互に駆け抜けました。 神馬は駆け抜ける際、左右の若者は必死にしがみついていました。
御幣を下ろした茶色の神馬も再び駆け抜けました。
左右のバランスが崩れて、若者が綱を放した時は本当に危ない。客席から悲鳴も飛び出しました。
突然走り始めるので、写真を撮るタイミングが難しい。神馬のタイミングではじめるから仕方がないのかな。 その後も何回か駆け抜けが行われ、白色の馬は疲れたのか、テコでも動かなくなりました(笑)。 15時30分前となり、馬だしは終了。2頭の神馬が拍手の中、砂浜をあとにしました。 |
神馬が去ったあと、賑やかな祭囃子が聞こえてきました。祭囃子の奏者を乗せた着飾ったトラックが3台もやってきました。
祭囃子の集団のうしろには、主役のお神輿が登場。 サイズも大きく、金色がピカピカ光った、ものすごく豪華なお神輿でした。 お神輿の先頭には、大きな出世魚(ブリの若魚)が取り付けられていました。
お神輿は威勢の良い掛け声とともに、砂浜まで降りていきました。
お神輿は海の中へ。お神輿が海水で清められていました。
お浜出は続きましたが、ここで神馬が戻ってくる吾妻神社に移動しました。 |
海岸から山側へ歩くこと30分強。ヘトヘトになりながらも、吾妻神社を目指しました。 大きな幟が見えてきました。ようやく吾妻神社に到着しました。
吾妻神社に登る参道の入り口で、獅子舞が奉納されているのを発見。この獅子舞は早朝の神事で、神馬が通る道を先に歩いて清めたもの。早朝の神事も見たかったー。
参道をのぼると大きな鳥居を発見。
急な石段の上に、拝殿と本殿がありました。この急な階段は朝の神事で神馬が駆け上がった場所。
吾妻神社は立派な神社ですが、社務所などがなかったので、神職さんは常駐していないようでした。
16時30分過ぎに、2頭の神馬が帰ってきました。神馬も今日1日歩き回ったり、砂浜を何度も駆け抜けたり、さぞかし疲れたでしょう。
神馬は吾妻神社の入り口まで来ると、鞍にのせてある祭具をつぎつぎに外していきました。 どうやら、神馬帰還での神事はないようでした。
このあと、日が落ちた町内をお神輿が勇壮に練り歩くそうですが、時間の都合でここで帰りました。 古くから伝わる伝承に基づく神事の数々。本当に魅力的なお祭りでした。 当日は朝から晩まで神事が続くのですが、早朝の神事からお神輿が海に入る(お浜出)までを見るのがベストな選択かもしれません。 |